乾燥肌(ドライスキン)

その他の症状でお悩みの方

乾燥肌(ドライスキン)


乾燥肌(ドライスキン)は、皮脂分泌量の低下、角質細胞間脂質や天然保湿因子などの減少により角質の水分含有量が低下している状態です。

皮膚の水分は、発汗、不感蒸泄(ふかんじょうせつ:皮膚または呼気から蒸気として自然に失われる水分)で減少し、体の内側または大気中の水分により供給されます。

角層の水分は本来、皮脂膜、天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質によって保たれていますが、 乾燥肌の皮膚は表面のうるおいがなく、柔軟性がなくなりもろくなっています。

角層の水分量は年齢、性別、体質、気候、環境やライフスタイルなどの要因が関係しています。また腎不全・粘液水腫(すいしゅ)・栄養障害、ビタミンA欠乏症など全身の病気から生じたり、ネイルリムーバーに含まれるアセトンなどの脂溶性溶剤の接触で過剰な脱脂と角質細胞間脂質の漏出が生じることもあります。

女性の方が多い?乾燥肌

化粧水などで毎日しっかりと保湿したりと、乾燥肌だという人は男性よりも女性の方が相応の乾燥肌対策を行っている傾向にあります。
そんな状況でも男性よりも女性の方が多く乾燥肌に悩まされるのは何故なのでしょうか。

その違いの一つに、皮脂量の違いがあります。
男性は男性ホルモンがたくさん働くことによって、皮脂の分泌が多いため、肌が乾燥している人よりもオイリー肌の方が多いのです。
一方で女性は、皮脂量の分泌量が男性の半分くらいと言われており、水分の保持する働きがあるとされる女性ホルモンも年齢と共に減少していきます。また、女性の場合は閉経がある為、加齢による乾燥で悩まされる人が増加するようです。

皮脂欠乏症とは

皮脂欠乏症(乾皮症)は、皮膚の表面の脂(あぶら)が減少することにより皮膚の水分が減少して、乾燥を生じてしまう病気です。
中高年者の手足、特に膝(ひざ)から下によくみられ、皮膚がカサカサしてはがれ落ちたり、ひび割れたりします。

誰でも年齢を重ねると、程度の違いは多少、あっても皮膚の乾燥が生じてきます。特に女性の方が男性よりやや早い年代から起こってくるようです。軽い皮脂欠乏症は、病気というより生理的な変化と言えるかもしれません。

皮脂欠乏症は多くの場合かゆみをともなうため、掻いてしまい、赤みやひび割れなどの急性湿疹を生じると皮脂欠乏症湿疹と呼ばれる疾患となり、病院での治療が必要になります。
放置すると、夜中に目が覚めるほどのかゆみから掻きむしるようになり、皮膚がごつごつした慢性湿疹に変化していく場合もありますので、かゆみが強く赤みがあるときは医療機関への早めの受診が推奨されています。

また、乾燥すると通常弱酸性に保たれている皮膚のpHがアルカリ性に傾き、細菌が繁殖しやすくなり、髪や衣服が触れる程度の軽い刺激でかゆみを感じる、使い慣れた化粧品で赤くなるなど、刺激に対して敏感になります。

乾燥肌を引き起こす3つの要因

皮膚は通常、皮脂がつくる皮脂膜、NMF(天然保湿因子)、セラミドなど角質細胞間脂質の3要素がバリアを作り、ホコリや細菌などの外部刺激や花粉などのアレルゲンから肌を守り、肌内部の水分が蒸発しない仕組みを作り出しています。

しかし、何らかのトラブルが素肌に生じるとこれらのバリア機能が低下し、素肌は乾燥状態となってしまいます。

1.皮脂量の低下
皮脂膜となるべき皮脂の分泌量が低下すると、ダイレクトに刺激が角層に伝わりやすくなります。皮脂は皮脂腺から1日に約1~2g分泌されますが、環境や体質で変わります。皮脂の分泌を促す男性ホルモンが少ない小児や女性、老人では皮脂量は少なくなります。分泌量のピークは男性で30代、女性は20代に迎え、その後は減少していきます。また血行不良などで代謝が低下すると皮脂の分泌量も減少します。また皮脂腺は体の部位により数が違い目のまわりや口元、四肢外側部は少なくなっています。

2.天然保湿因子(=NMF)量の低下
角質細胞内に存在するNMFはアミノ酸類、乳酸、尿素、クエン酸塩などからなり、水分を抱えこむ性質をもっています。このNMFによって角質細胞内の水分量は一定に保たれるのです。NMFは表皮細胞がターンオーバーの過程で作り出しています。日焼け、加齢、睡眠不足、ストレスなどでターンオーバーが乱れると、NMFも低下してしまいます。

3.角質細胞間脂質の減少
角質細胞をレンガに例えると、レンガとレンガの間を埋めて細胞同士を接着させるセメントの役割を担っているのが角質細胞間脂質です。このセメントが足りない状態になると、雨漏りしやすくなるようなものですから、バリア機能が低下するのです。

角質細胞間脂質はセラミドが50%を占め、他の脂質と一緒に立体構造(ラメラ構造)となり水を挟み込み保水します。角質細胞間脂質も表皮細胞がターンオーバーの過程で作り出しています。さまざまな原因で、角質細胞間脂質が足りなくなると保水機能も低下します

アトピー性皮膚炎の方は、セラミドの量が通常の量と比べて3分の1ほどしかないことが分かっています。これは穴があいた傘を差しているようなものであり、刺激に対して無防備なため、さまざまなアレルゲンが肌に進入しやすい状態と言えます。

その他の乾燥肌

脂性乾燥肌

ドライスキンと呼ばれる一般的な乾燥肌と違い、皮脂分泌量が多く水分量が少ない肌のことを脂性乾燥肌(オイリードライ肌)と呼びます。20代から30代の人に起こりやすいとされる肌トラブルです。

額や鼻などのTゾーンは皮脂が多く、頬やフェイスラインなどは乾燥するという「混合肌」になりやすいといわれています。

脂性乾燥肌の原因
年齢や生理周期、ストレスなどによるホルモンバランスの変化や、食事や生活環境などが原因で起こると考えられています。また、外部からの刺激で角質にダメージが与えられることもオイリードライ肌に進行する要因になります。酸化した変性皮脂は角層の刺激となり、ターンオーバーを乱れさせます。このため、皮脂が出ていても角層の水分量が少ない場合がよく見られます。また、油分の与えすぎや除去しすぎなどの「間違ったスキンケア」が原因でオイリードライ肌になってしまうことも多いようです。

アトピー性皮膚炎による乾燥肌

アトピー性皮膚炎の症状のひとつに、皮膚の乾燥があります。一般的には高学年になるころに治まっていきますが、最近では大人になってもアトピー性皮膚炎の症状が治まらない人も多く、かゆみや湿疹をともなう乾燥肌に悩まされている人も多いようです。また、乾燥肌のケアをしないままでいると、アトピー性皮膚炎による湿疹が悪化することもあるので、注意が必要です。

アトピー性皮膚炎による乾燥肌の原因
アトピー性皮膚炎の原因は、はっきりとわかっていません。しかし、遺伝性の皮膚の乾燥や皮膚のバリア機能の低下、食事やダニなどのアレルギー、ストレスなどが要因ではないかと考えられています。

また、乾燥肌がアトピー性皮膚炎を引き起こすケースもあります。そのため、アトピー性皮膚炎の場合はスキンケアが非常に重要です。アトピー性皮膚炎は日頃のケアとともに、その人の状態に応じた適切な治療が必要になります。思いあたる症状がある人は、必ず専門医に相談するようにしましょう。

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